たまにニコニコ動画などで「ボカロは楽器」というコメントを見かけますが、私はどうしてもこの意見に違和感を覚えます。「ボカロはボカロであって、楽器でも、人間に取って代わる存在でもない。」というのが私の考えです。
ボカロと楽器の違いは「主役になれるかどうか」にあると思います。楽器は主役にはなり得ません。このように書くと「たとえばピアノのソロコンサートではピアノが主役なんじゃないの?」と思わるかもしれませんが、この場合の主役はピアニストであってピアノではありません。もし有名ピアニストと全く同じ演奏ができる自動演奏ピアノがあったとして、このピアノのコンサートを開いたら、一体どのくらいの人がお金を払って見に行くでしょうか? 楽器は主役になり得ないとはそういう意味です。
一方ボカロは主役になり得ます。ボカロコンサートの主役はまさにボカロですし、ボカロ動画の主役もボカロであって、作曲者や絵師ではありません。人間は、どれだけ有名で才能ある人であっても、あくまで裏方なのです。
「楽器」を辞書で調べると「音楽を演奏するために用いる器具。(広辞苑)」とあります。この意味においてはボカロはまさに楽器です。ですがこれまで述べたように、他の楽器とは明らかに一線を画す部分があります。ボカロは最近になって登場した新しい存在です。それを無理矢理既存の概念に当て嵌める必要はないと思います。それゆえ私は「ボカロはボカロであって、楽器でも、人間に取って代わる存在でもない。」と思うのです。
コメント
コメント一覧 (7)
答えが出てますね。
ピアニストがギターを弾いても評価は低いでしょう。この点でピアノは主役足りえます。クラナドが人生だと言う人もいます。一般の人にとってはクラナドはゲームに過ぎません。あなたにとってはボカロは楽器という枠に収まらないのでしょう。しかし違和感がどうであろうとボカロは一般的に言って楽器です。ボカロ人気を支えているのはボカロ自身ではなく作曲家達だと俺は思うよ。
>ピアニストがギターを弾いても評価は低いでしょう。この点でピアノは主役足りえます。
それは技量の問題ですね。主役はあくまで演奏者でしょう。客が来ないとしてもそれは単に下手だからであり、完璧な演奏をこなす自動演奏ピアノが、それでも客を呼べないであろうこととは異なります。
>クラナドが人生だと言う人もいます。
それは思い入れの話ですよね。
>あなたにとってはボカロは楽器という枠に収まらないのでしょう。
私は思い入れの話をしているのではなくて、無視しがたい違いがあるのではと述べているつもりです。
乱暴な例えですが、舞台演劇と映画は共通点(共に役者が演じているなど)はあったとしても別物です。これと似た感じで、ボカロもこれまでの楽器と多少異なる存在として理解した方がいいのではないかということです。なおあくまで違いの話であり、優劣の話ではありません。
>ボカロ人気を支えているのはボカロ自身ではなく作曲家達だと俺は思うよ。
私もそう思います。ただそのこととボカロが他の楽器と同じかどうかということとは関連がないと思うのですが。
構造上はシンセサイザーやサンプラーといった楽器の手法を取り入れているものの、主な用途はヴォーカルです。
詞を歌わせた時点でその作品は歌モノになり、楽器のみで演奏される器楽曲(インストゥルメンタル)でなくなります。
もちろん楽器としても使う事はできますけどね。人間もヴォイスパーカッションができるように・・・。
さて、「ボカロは楽器」というコメントが散見される理由ですが、恐らく構造にのみ着目して言っているのではないでしょうか?
そんな人もいるかもなって感じで気にする必要ないと思いますよ。
あと、1コメさんの「ボカロ人気を支えているのはボカロ自身ではなく作曲家達だと俺は思うよ。」
のコメントに対して反論ですが、僕はその曲の作曲者達だけでなく、MTVは勿論のこと、その曲とは関連性の全く無い静画、動画などの二次三次作品のクリエイターもボカロ人気に貢献していると思いますよ。
ボカロの人気に対して面白い考察をした人がいまして、その人の動画を紹介しますね。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm26641878
こりゃ失敬☆彡
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あと、1コメさんの「ボカロ人気を支えているのはボカロ自身ではなく作曲家達だと俺は思うよ。」
のコメントに対して反論ですが、僕はその曲の作曲者達だけでなく、MTVは勿論のこと、その曲とは関連性の全く無い静画、動画などの二次三次作品のクリエイターもボカロ人気に貢献していると思いますよ。
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あと、1コメさんの「ボカロ人気を支えているのはボカロ自身ではなく作曲家達だと俺は思うよ。」
のコメントに対して反論ですが、僕はその曲の作曲者達だけでなく、MTVは勿論のこと、その曲とは関連性の全く無いボカロ派生作品のクリエイターもボカロ人気に貢献していると思いますよ。
ミクはしってるがボカロは知らない人からみればボカロ作曲家なんて、ミクに寄生してる生き物同然としか思ってないしね。
発売当初、いろんな曲が動画サイトに投稿されたが、それ以上にイラストがイラストサイトに投稿されてたし、MMDなんてツールが今や世界中で使われてて曲よりもそっち系が盛り上がってる様子だしね。
>自動演奏ピアノがあったとして、このピアノのコンサートを開いたら、一体どのくらいの人がお金を払って見に行く?
とあるアニメキャラがピアノを弾いているという設定にするだけでお金を払う人は出てくるんじゃないでしょうか?
おやおやー?そうすると主役はそのアニメキャラになりますねー?
だってアニメキャラ付けないと誰も来ない訳だからね。
価値をさらに高めてくれるのが主役なのだから、名器だろうと楽器のみならCDでもいーよね?ってレベルの価値でしかないんだよ。
でもボカロだと歌わせると言う過程が付加されるから、人間が歌ってるのと同じくらい価値の上乗せが可能なんだよ。
楽器単体よりも遥かに絵や画像付けやすいし作りやすいからね。
2次創作の1つである見立て創作を引き出せるのが主役たる所以だと思うね。
楽器のみなら見に行く必要性ないけど、歌ってるのならあらゆる視点の創作が引き立てられるから見たくなる。
楽器フェチでもないと苦痛だよ?家で読書しながらCD聞く方が遥かに良いくらいに。
まずギャラリーが対象を想像しやすいかどうかで主役の線引きは決まると思うね